ミレニアムビジネス


ミレニアムビジネスをどのように捉えることができるのでしょうか?

1000年に一度の初めての経験なだけに掴みどころのないミレニアムですが、以下に気がついたことをまとめてみました。

1)時間との勝負

 ミレニアムビジネスは時間との勝負です。2000年、そして21世紀はあっという間に来てしまいます。ミレニアムビジネスはまさに時間との勝負なのです。

2)21世紀を探ろう

 21世紀は環境破壊や食糧危機などの諸問題が山積しています。その解決にはパラダイムを転換することが必要となっていますが、このパラダイムの転換の方向を探りながら、21世紀のライフスタイルや価値観にあったビジネスを展開するおとも一案です。例えば、愛知県の商店街では”エコ商店街で地球も元気”をスローガンに、ペットボトルから再生された「商店街世紀越えキャラクター付き買い物エコバッグ」を世紀越えグッズとして販売しています。

3)20世紀を復活

100年や1000年を振り返る企画は枚挙にいとまがありません。郵政省の「20世紀デザイン切手」、NHKの「あなたが選ぶ世界の20世紀10大ニュース」、米ウォルト・ディズニーの名作「ファンタジア」を最新デジタル技術で復活するミレニアム記念事業、並びに京王プラザホテルの「20世紀をふりかえる」をテーマにした宿泊プランなどがあります。

4)身近なビジネスの中にヒント

 世紀越えビジネスは身近なビジネスの中にあります。例えば、現在発売中の商品とミレニアムとを結びつけて発想をすれば、従来とは違った思わぬ魅力的な商品が生まれる可能性があります。現在は不況でありミレニアムに対して新たな投資をすることは難しい面がありますが、展開中の身近なビジネスにミレニアムという付加価値をつけることでミレニアムビジネスに参入できます。例えば、銚子信用金庫は、世紀越え限定グッズがもらえる世紀越え定期預金を発売し47億円の申し込みがありました。また、煎餅屋さんのイシガミは世紀越えをデザインした「世紀越えせんべい」を発売し評判になっています。さらには、”2000年を快適なマイホームで迎えませんか”と銘打った期間限定のリフォームフェアを開催する工務店まででてきているのです。

5)カウントダウンはワン・オブ・ゼム

東京2000年祭は2000年の通年事業で、銚子市世紀越え事業は1999年から2001年までの3年間事業となっています。また、岐阜県のウエルカム21は1996年からの継続事業です。この様に、ミレニアムはカウントダウンだけではなく、むしろキャンペーンのほうが多いようです。カウントダウンはミレニアムのシンボルであり、とても重要な位置づけがありますが、コンピュータ2000年(Y2K)問題というリスクも抱えてしまっています。カウントダウンはワン・オブ・ゼムと捉えることが得策であると考えられます。

6)限定ブランドの開発

 ミレニアムは誰もが主役であり、人によって過ごし方や考え方などに違いがあります。人々の価値観やライフスタイルは様々でありこだわりもあるのです。だから地域限定や期間限定、並びに販売個数限定などの限定ブランドがたくさん発売されています。例えば、ドイツハーマン社のテディベアやジバンシィの2000年記念時計などは全世界2000点の限定制作となっています。また、マツダのミレーニア「ミレニアムエディション」も特別限定です。さらには、東急百貨店のミレニアムショップでは2000年を生きる自分や家族の写真からつくったぬいぐるみなどオーダーメード商品が目玉となっています。

7)数字の魔力

 数字には魔力があります。例えば、西洋の七信仰や中国の北斗七星、並びに日本の七福神など、7は福を呼ぶ不思議な数字で、パチンコでも「777」がでると福が来ます。ミレニアムにも数字の魔力が働いています。2000円札が誕生し、ツーカーセルラー東京は”2000年になっても1990円だよ”といったCMを流しています。また、長崎屋は2000秒の時間で割引するセールを実施しました。 

8)夢と遊び心

 「2000年です。シャレなんです。」といった遊び感覚が受けています。ミレニアムは日本人にはピンとこないだけに、理屈抜きで面白くて感動できるものが求められているのです。熊本県南関町の山ごとイルミネーションやグリニッジ天文台の永久保管2000年証明書などは「夢」があります。また、パワー100倍元気丼、世紀越え開運釜飯、2000グラムの巨大おはぎ「おはぎ2000」などの愛知県商店街世紀越えブランドは遊び心に満ちています。

9)社会貢献で感動

 ミレニアムは地球環境問題や世界平和を考える良い機会でもあるため、社会貢献につながる事業が評価されています。千年紀最後の1時間の労働で得たお金を子供達のために募金する「チルドレンズアワー募金」や2000年4月22日に環境イベントを世界規模で同時に行う「アースディ2000」など、社会のためになる事業も目立っています。

10)Y2K問題も逆手で特需

 Y2K問題は「世界の終わり」とまで騒がれ、大変シリアスな問題です。しかし、これが特需につながっている例も見受けられます。Y2K対策要員でホテルの予約はいっぱいで、2000円のおせち弁当は例年の何十倍もの売上となりそうです。国が備蓄を呼びかけ、備蓄用品の専用コーナーも盛況です。伊香保温泉旅館協同組合はY2K問題を逆手にとって食料や発電機などがそろった旅館で過ごす「のんびり安心パック」を売り出しています。

11)インターネットも新千年紀祭

 インターネットでもミレニアムが楽しめます。「ニューミレニアム・ゲートイヤー・フェスタ(新千年紀祭)」が2001年に通年開催の予定となっています。


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